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あなたの役目は戦うことじゃないの(NT 2014年1月号)

 ダイ・グの悲劇フラグがすごいことに。
 嗚呼……



 まさに『捨て駒』として扱われる皇帝ダイ・グ。

 捨て駒だったはずが、その強力な血ゆえに「あの娘は殺すな 生かしておけ」ということになり……その真の意味は「あなたの騎士の力を亡者たちに与えるの 足を開いてね」と、(この言い方は好きじゃないけれど)子を産む道具扱いされるクリス。

NT20141-1.jpg


 政治家や財界など、騎士の血を欲しがる家は山ほどある。
 映画GTMに登場したハイランダー・シャンディー・マーカス王女、先月号のブラウ王家近衛騎士団メリー・マーカス……
 そのマーカス家の末裔であることが今月号で判明したV家のクリスには、戦争の使い捨てにするよりもっと素晴らしい利用価値がある、ということなのですね。

 まあ、何というか「利用価値」という意味では最善を目指していると言えるし、もういかにも男連中が考えそうな下種な企みであるとも言える。

 幼い時に上級生を殴り殺したことで、クリスの運命が一変してしまったことがよく分かる。
 本来なら彼女はドナウ帝国にまで連なる騎士家の末裔であり、何の問題もなく育っていればサラブレッドとして、当代のハイランダーとして当然得られるべき尊敬と、そして義務を背負い、権力さえ手にできたはず。
 もともと父親の敗戦(VSデコース)で家名に傷がついていたとは言え、その汚名を晴らすことができたのも娘のクリスだったはず……

 映画GTMに、皇帝即位後と思われるジークボウと共に登場したということはクリスは相当長く生きるのだろう。そして、あの花の道にダイ・グはいなかった。
 それでもゆったりと微笑んでいたクリスはすでに少女ではなく、成熟した女性だった。
 少なくとも外見は。
 
 これからダイ・グとクリスに何が降りかかるのか……
 考えただけで辛くなる。

 それにしても今月号は、シリアスなはずなのに「なんやねん この子はもう」とか「あかんかったわお母ちゃん オデット血をくれ~」とか、見かけ倒しすぎるヤンギの「ねーちゃんどうした? ハラへった?」とか、メイン以外でのボケがすごかった……

 トライトンとブルーノが登場しなかった(=読者目線がなかった)せいか、元老が一気に悪代官の集まりになってしまいましたな。
 ド・ラのおっちゃんの後釜の人……エイデンス・アルク・レーダーさんだったっけ?
 先月号までは良いのか悪いのか測りかねていたんだけど……
 いやあ、清々しいほどドロドロしてて……貴族なんてそんなもんだろうけど……

NT20141-2.jpg


 領土を得るための大義名分、大きな代償。
 まあ……普通に考えたら代償とは「皇帝の命」でしょう……
 そしてカリギュラが登場するということは、あれだ。
 まったく映画と同じことに……トリハロン暗殺計画アゲイン……

 リリなんて可愛い名前(余談ですが私のHNは小林りり子)のジーク母、昔は相当イカレていたようだけど今は「ジークを応援しようって決めた」のだったら、そのジークの親友(推測)でもあるダイ・グを守ってくれないかなあ(涙)。
 まあ、ダイ・グのそばにはリリさんより格上の慧茄がいるんだけどね……

 しかし元老がダイ・グ暗殺を企んでいるにしても、慧茄が知ったらどうするんだろう。
 ただでは済まないと思うのですが……
 というかその可能性については、慧茄はもうとっくに思いついていそうだけど。
 慧茄には元老での実権はないのかなあ?

 フンフトと慧茄の会話を読む限り、私が先月号でちょっと推理していた「実はハーレクインもどきなクリス花嫁計画」などという可能性はゼロですね。

「思い違いをしているあの子 あの耳飾りを持っている以上、気になります」
「やはり、あれではだめですか……」

 何がだめなんだろう。
 先月号でクリスがヒックヒック泣いてしまったのをフンフトが慧茄に報告して、慧茄が「まだ根性が据わってないのか」と言っているのか、それともイヤリング話のことを「あれでは(あの話だけでは、あの娘を強くするには)だめですか」と言っているのか?

 とにかくダイ・グがどこまで本気であのイヤリングのことを自覚しているのか――王妃へのイヤリングだから、本当ならクリスに返却させてフンフトに渡すべきものだろう――それが判明しない限りはなあ……

 まあとにかく、今月号での確定事項。
 サクリファイス・ニーゼル=ブラウ・フィルモア女王=璃里(リリ)=ジーク母。


 フンフトの言葉の意味……
「あなたは帝国の犬と呼ばれていましたね」
「なら、あなたはその力を亡者に分け与えるの」

 帝国の犬として人生を全うするつもりなら、何も考えずただ飼い主の言いなりでいればいい。
 主人の指図通り、何人もの男と寝て子供を生んで戦力を作ればいい。
(これ、10巻でクリスがユーゾッタに言った嫌味の見事なブーメランじゃないか)

 犬として生きる覚悟があるのなら、『帝国』の忠犬として生きればいい。
 けれど、わざわざあなたを指名して詩女と陛下の密談に同席させた意味を考えなさい。
 皇帝陛下が嫌悪の表情で「帝国の思惑はナカカラを武力制圧し、帝国民以外を排除すること」と吐き捨てるように言ったのを聞いていなかったの?
 そして陛下は「剣を向けず、ミノグシアとフィルモアの共存を」と望んでいる。
「皇帝陛下」と「帝国」の考えは決して同一ではない。
 あなたはいずれ、騎士としてどちらかを選ばなければいけない――帝国の犬になるか、それとも皇帝陛下の忠実な騎士になるかを。
 そんなことが分からないの?
 その由緒ある――偉大なる初代皇帝陛下の――耳飾りをつけていながら、あなたは思考停止した駄犬として生きるつもりなのかしら? 言われるがまま、帝国の男たちの慰みものになって?

 ◇

 行間を無理やり読んでみると、(個人的には)こういう意味合いなのかなあと思う。
 とにかく今月号でのクリスは、「帝国」と「ダイ・グ」の区別がついていない――優先順位が分かっていないと思ったので。
 ダイ・グ個人の「この地に剣は向けない」という思いと帝国の武力制圧は真逆のもの。
 それを直に、その耳で聞いていながらも「帝国と陛下」を同一視していてはいけないですよね。


 もっと短くまとめると、こんな感じか?

「どうしてあなたにだけ聞かせたのかって? あなたが皇帝陛下の一の騎士であり特別な女性だからじゃないの! 初恋の浮かれた状態で『陛下が言われるなら赤子を千人殺してみせよう』と覚悟すればいいというものじゃない。自分の頭を使い、自分の意思で戦えということよ。このバカ娘」


 いずれ、トライトンたちも同じ判断を迫られるのだろうか? それとも彼らはそこまで知ることはないのだろうか?
(12巻時点で彼らの忠誠はすでに「陛下は強くなられた。陛下を信じよう」「いい加減なオレでも陛下のためにって思うようになった」と、ダイ・グに向いているのだけど)

 しっかり者のニオがいきなり無礼講とか酒乱というのも、大いに引っかかる。
 ニオはああいうキャラクターではないはずなので、何がしかの演技かなあと思う。
(ケーニヒやニオ、クリスや慧茄は来訪時にラーン騎士の殺気を察していたので、そんな場でやたら浮かれるというのは余計に不自然だ)

 ただ今月号、ニオやケーニヒがフンフト&皇帝の縁談のことを知ったのかどうかは描写されていないんですよね。
 クリスは同席して知り、慧茄は最初から知っていたはず。
 まあ今月号の時点でどうだかは知らないけれど、こんな重大事はすぐ知れ渡る訳だからなあ。
 






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[ 2013年12月09日 19:26 ] カテゴリ:FSS(永野護) | TB(0) | CM(4)
Re: ご丁寧なお返事、恐縮です<(_ _)>33
末々さま、コメントありがとうございます。

私もGTMを見た当時は
「は~、星団歴初頭ってこんなのだったんだ、でもMH以前ってマシンメースじゃなかったっけ??」
「GTMフィルタを通すとKOGもこんなんなのになるんだ~、ネプチューンやエンプレスもこんなんなんだ~」
とか、実にのん気に考えていたものです。
まさか、エンプレス=カイゼリンそのものに入れ替わるなどとは(さすがに)思わなかったですね。
しかし心のどこかでは無意識に準備ができていたのかもしれません。
映画を見た人と見ていない(見られない)人では、再開一回目の反応はほんと天と地ぐらい違ったんじゃないでしょうか。

いまだに正直、聞きなれた固有名詞やメカそのものを改変してしまった理由が私には分からないのです。
飽きっぽいとかそういう「毎度恒例」で済む問題じゃないような気がしてですね。
まあ、理由は分からないのですが話が普通に続いているので読み続けています。

GTM。ぜひ見ていただきたいです、本当に。
何度も見た私でさえ、いまだに劇場予告編PVやロングバージョン5分PVを見てしまいますから。
[ 2013/12/13 19:03 ] [ 編集 ]
ご丁寧なお返事、恐縮です<(_ _)>33
そうなんですよね~、連載は10年止まってたんですよね(苦笑)少数精鋭でGTMを製作していたとはいえ、クリス永野の放置プレイには参ってしまいますwww
でもそうやってこだわって作られた“GOTHICMADE”は全てFSSに跳ね返ってきましたもんね♪
連載再開直前のニュータイプの表紙にK.O.G.(その時はマグナパレスだとは露とも思わずw)が出た時はルミナス・ミラージュから改装したくらいに思っていたものです(^_^;)

そうですかぁ~やっぱり“GOTHICMADE”はそれほどなんですね☆
騎士の速さでロボットが動くだけで観る価値ありそうですが、同時発生する音響にまでこだわっていない訳がありませんもんね!
小林さんはまた観に行かれる手段を講じてらっしゃるようですけど、私も早く観る手段を考えた方がいいかもしれませんねw(#^.^#)
[ 2013/12/12 21:16 ] [ 編集 ]
Re: はじめまして☆
末々さま、はじめまして。コメントありがとうございます!

私は単に、FSSを長く読んでいるというだけの読者なので推理とか今後の展開などは苦手(当たった試しがありません)なのですが、ご感想わざわざありがとうございました。

連載再開を待ちわびて約10年が経ってしまいましたが、去年は衝撃の「新しいFSS世界」であるGOTHICMADEを映画館で何度も(5回)鑑賞する機会に恵まれました。
本当にあれはぜひ一度、どうにかして全読者様に体験していただきたいものです。
(永野さんのこだわりは毎度のことですが、この件に関してだけはあまり敷居を高くしないでさっさとメディア化すべきだと思います。そうでなければ地上波で放送しろと!)
幽霊のようなカイゼリン起動音も、戦艦シワルベ・ダランスの飛行音も脳内で再生されてしまいます。

ご感想をいただいたおかげで、私も旧ブログからの記事インポート(手動)が見事に去年の11月(いちばんGTMの記事が多かった月です)で止まっていたことを思い出しました。
あわてて数記事だけ移行しましたが、随時更新していきます。
どうもありがとうございました。
今後もぜひお気軽に遊びにいらして下さいね!
[ 2013/12/11 19:08 ] [ 編集 ]
はじめまして☆
FFSの連載再開後、どなたか的確な分析をされている方がいらっしゃらないかずっと探しつつ彷徨っていたのですが、とうとうこちらの日記に辿り着く事が出来ました☆
過去の日記も遡って拝見しました、大変興味深い考察と濃密な解説に時間も忘れて読ませていただきました☆
私は映画のGTMは鑑賞しておらず、本編とデザインズ、トレーサーからしか情報を得ていないので、小林さんのお陰で見事に欠落している情報を補完させていただいてます♪
とはいえ映画を観ていないせいで先月トライトンもつぶやいていた女性の悲鳴のようなGTMの駆動音を未だ知らないのが悔やまれます(苦笑)
手前勝手ではありますが今後も小林さんの書かれる卓見を頼りにお伺いさせて頂けたらと思います。
突然失礼いたしました。
[ 2013/12/10 21:28 ] [ 編集 ]
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